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どこ主夫のインド映画レビュー「ランガスタラム」

かなり衝撃的な映画

みなさん、こんにちは。

インド映画レビューやっていきます。

今回ご紹介するのは「ランガスタラム」

ラーム・チャラン主演のほのぼの系映画。と思いきや…

JAIHOにて先ほど鑑賞しましたが、衝撃的すぎてしばらく呆然としてしまいました。

正直「楽しかった!!」と笑顔で言える作品ではないのですが、あらすじと良かった点をご紹介していきます。(若干のネタバレあり)

 

 

あらすじ

時は1980年代。

農業の盛んな「ランガスタラム村」で今日ものんびり暮らす難聴の主人公、チッティ。

しかし、この村は「プレジデント」と呼ばれる極悪村長によって牛耳られていました。

ドバイから帰ってきたチッティの兄クマールは、そんな現状を変えようと村長選挙に立候補することを決めます。

果たして兄は無事、選挙に勝つことが出来るのか?

 

 

良かった点①眼前に広がる「黄金の風景」

www.youtube.com

今作は農村が舞台ということもあり、全編を通して「黄金の風景」が広がっています。

作物の金。

草原の金。

黄金に輝く大地。

そして、金ぴかのクイーン。

全てのシーンが美しく、癒されます。

そのため、最初は辛いシーンがあってもすぐに忘れ去ることが出来ていたのですが…

 

 

良かった点②現代にも通じる「政治参加」のメッセージ

あらすじにも書いた通り、この村で起きる様々な悪いことは村長の「プレジデント」によって引き起こされています。

高額な借金をでっちあげ、それを苦に農民が死んでもお構いなし。

しかし、そんなプレジデントを農民は非難するどころか信仰しています。

外の世界を知らないからか、物凄い圧政をされていることに気づいていない様子。

国の役人にも文句を言われる始末です。

何十年も「プレジデント」は村長の座に居座り、

彼の政治に声を上げる人はほとんどいない。

ついには「プレジデント」の本名を知る者すらいない。

これではどんどん腐敗していくことが目に見えています。

 

でも、これって私たちの社会でも同じことが言えると思うんです。

選挙のたびに

「昔からこの人がやってるから」

「他に選択肢がないし」

と、実績も見ず、調べることもせずに投票する。

「選挙権」には投票するだけでなく、立候補する権利もあるのに。

文句を言うばかりで行動しない私たちは、「ランガスタラム村」の村民を笑えません。

そういった意味で、この作品は今の日本国民に重要なメッセージを伝えているように感じました。

 

とはいえ、今の日本社会は立候補した途端にマスコミに洗いざらい調べられてしまい、少しでも粗があると総叩きに遭います。

生まれてから清廉潔白だった人なんてほとんどいないし、

そもそも選挙に出て選ばれることにメリットを感じない人がほとんどでしょう。

だからこそ腐敗は止まらないし、クマールのような人が出てこない限りは変わることもないんですよね。

 

しかし、村の救世主となるため立ち上がったクマールを「プレジデント」が放っておくことはなく。。。

 

 

良かった点③主人公・チッティの狂気

今作の主人公は正直言ってヤバいです。

序盤の「彼が怒りそうな出来事を知られぬよう、家族友人が必死に隠す」という場面を皮切りに、

「こいつ怒らせたらやべぇ…」という空気が漂い始めます。

チッティは友人相手でも「教えなきゃぶっ〇す!」と言ったり、、

それが冗談に聞こえない狂気があります。

 

ネタバレになるのですが、チッティの兄は選挙戦の途中、何者かに殺害されてしまいます。

その辺りのシーンから完全にホラー映画になります。マジで怖い。

「襲われながらも暗闇で弟の助けを呼ぶ兄、難聴でそれに気付けない弟」

この場面も十分胸糞で怖いんですが…

間一髪で弟が気付き、襲撃者に立ち向かうところが一番怖い。

なんとチッティは襲撃者一人一人を、息の根が止まるまで殴り続けます。

敵の口元に耳を近づけて、死んでいるか確認するのが怖すぎて、「チッティ頑張れ!立ち向かえ!」なんてことは言えなかったです。

 

そんな流れで話が進んでしまうので、最後も手放しでハッピーエンドと言えるものではなく。

映画を観た後に残ったのは、得体のしれない恐怖でした…

 

 

今回のベストソング「Yentha Sakkagunnave」

youtu.be

宝物のように美しい君

豆堀りをしていて見つけた

主人公がヒロインに一目ぼれしてメロメロ~!って歌です。

ヒロインのことしか頭になく、何も耳に入らなくなるチッティが可愛い。

難聴が悪化したと家族に心配されるのも面白いw

 

…こんな雰囲気が続いてほしかったよ!!

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今作は正直、予告のような雰囲気を求めている人にはあまりお勧めできません。

精神的に落ち着いているときじゃないとうつになってしまいそう。

それだけ重く、頭の中がいっぱいになる映画です。

ただ、ラーム・チャランの今までにない演技が見られるため、それを求める方にはうってつけですね。

 

それでは今回はこの辺で。